Feldsalat(ラプンツェル)〜冬のサラダの王様

ドイツでの日々
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冬の長いドイツは 日本と比べると野菜の種類ははるかに少ないのですが 冬に市場に出回って新鮮なものが簡単に手に入る野菜の一つに

Feldsalat (フェルドザラート・ノジシャ)

があります。

うさぎの部屋のうさぎたちも大好き!(なので 写真はうさぎの餌として用意されたもの) 私がドイツに来てまもない時にお世話になったドイツ人家庭の子供達も大好きなサラダ用の野菜です。

Feldsalat の別名

ドイツ語圏でも 地域によって呼び名の違うこの野菜、 恐らく一番よく知られている名前はFeldsalatかと思いますが 他には

  • Ackersalat (Schwaben地方)
  • Mäuseöhrchensalat  (Eifel,Saarland地方)・・ネズミの耳?
  • Nüsschen
  • Nüsslisalat、Nüssler(スイス)・・Nussはナッツ
  • Rapunzel (チューリンゲン、ザクセン)・・ラプンツェルのお話(後述)
  • Rawunze、Rewinzchen
  • Schafsmäuler、Schoofsmeiala
  • Sonnenwirbel、Sunnewirbeli、Sonnewirbele (バーデン地方)
  • Vogelsalat (南チロル)
  • Vogerlsalat (オーストリア)
  • Wingertsalat (プファルツ)

現在、食用に食べられているのは品種改良されたものですが もともと 畑のあぜ道などに生える草、だったようで、恐らくFeldsalat, Ackersalatは そこから来た名前でしょう。(Feld=畑、Acker=耕地、畑)

また、味がヘイゼルナッツに似ているために Nüsschenなどと呼ぶ地域があるようですね。

子羊が大好きな野菜でもあるそうです。 そこでSchafsmäulerと言う名前。(Schaf=羊) どうやら鳥も大好きなようです。(Vogel=鳥)

 

Feldsalatの栄養

この野菜、栄養的に大変優れています。

ビタミンとミネラルが大変豊富で サラダ菜(Kopfsalat)の2倍のビタミンC、鉄分はパセリに次いで野菜・ハーブ類の中でもっとも含有量が多いそうです。

また、

  • ビタミンB6, E, カロチン、
  • 葉酸(Folsäure)
  • カリウム、カルシウム、マグネシウム、
  • りん、銅、亜鉛、ヨウ素

と言ったものも含まれています。

栄養失調に陥りそうな冬(って・・現代ではドイツで栄養失調になる人はほとんどいないでしょうが)に これだけ栄養の豊富な野菜、しかも生で食べられる野菜があるとは!

Feldsalatの別名、ラプンツェルはグリム童話のラプンツェル

このFeldsalat-フェルドザラート、「Rapunzel」(ラプンツェル)とも呼ばれています。

「ラプンツェル」といえば・・グリム童話!

あるところに夫婦がいた。長年子供がなかった2人だが、ある時やっと子供を授かる。妊娠した妻は隣に住むゴーテルという魔法使いの庭のラプンツェルを食べたくてたまらなくなる。食が細ってやつれた妻に「ラプンツェルが食べられなければ死んでしまう」と懇願された夫は、妻と生まれる子のために魔法使いの敷地に忍び込むとラプンツェルを摘み取りにかかるが、魔法使いに見つかってしまう。しかし夫から事情を聞いた魔法使いは、好きなだけラプンツェルを摘んでもいいが、子供が生まれたら自分に渡せと言う。

(Wikipedia 「ラプンツェル」より)

女の子が生まれますが その子は魔法使いによって 高い塔に閉じ込められます。 女の子の長い髪の毛を塔の窓から垂れさせて それをハシゴがわりに登る、と言うお話です。

「塔の上のラプンツェル」というタイトルで ディズニーのアニメ映画にもなっています。

物語の「ラプンツェル」のお母さん、子供を宿している、ということで 体が栄養価の高いものを欲しがったのでしょう。 他の野菜に比べて 栄養価の高いラプンツェルを食べたくて食べたくてたまらなくなるのは 仕方がないことだったのでしょうね。

この栄養価の高い「ラプンツェル」、「フェルドザラート」、なんと気温マイナス15℃でも育つのだそうです。 強い!! 「König der Salat」(サラダの王様)とも呼ばれているそうですよ。

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