ドイツのクリスマスソング〜O Tannenbaum(もみの木)

ドイツの歌・音楽
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日本でもおなじみのクリスマスソング「もみの木」です。世界的にも有名で英語の詩をご存知の方も多いかと思いますが、ドイツの歌です。

ドイツの子供達の間でもこの曲は有名で、おかしな替え歌を作るほどなのです。

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「O Tannenbaum」の成り立ち

ヨハン・アウグスト・ツァルナック(August Zarnck, 1777-1827)が16世紀の歌を元にして、「愛の歌」として詩を書きました。それもどうやら失恋の歌だったようです。

このツァルナックの詩の1番はそのまま、2番以降をライプツィヒの教師であったエルンスト・アンシュッツ(Ernst Anschütz, 1780-1861)が詩を書き直し、16世期から伝わるメロディーを付けて、クリスマスの歌として1824年に発表しました。

これが、現在有名になっている「もみの木」の歌です。

この一番の詩、元々は恋愛の歌だったのだろうとは思っていましたが、失恋、相手への恨みの歌だったとは!

「O Tannenbaum」ドイツ語歌詞

O Tannenbaum, o Tannenbaum,
wie treu sind deine Blätter.
Du grünst nicht nur zur Sommerzeit,
nein auch im Winter, wenn es schneit:
O Tannenbaum, o Tannenbaum,
wie treu sind deine Blätter!

O Tannenbaum, o Tannenbaum,
du kannst mir sehr gefallen!
Wie oft hat nicht zur Weihnachtszeit
ein Baum von dir mich hoch erfreut!
O Tannenbaum, o Tannenbaum,
du kannst mir sehr gefallen!

O Tannenbaum, o Tannenbaum,
dein Kleid will mich was lehren!
Die Hoffnung und Beständigkeit
gibt Trost und Kraft zu jeder Zeit!
O Tannenbaum, o Tannenbaum,
dein Kleid will mich was lehren!

(多少違うドイツ語のテキストで歌われることもありますよ)

「もみの木」日本語歌詞

色々な邦訳で歌われているようですが、私が一番馴染みがあるのは、やはりこれ、野口耽介・詩のテキストです。

もみのき もみのき ときわに あおき
もみのき もみのき ときわに あおき
くさもえる なつも ゆきしろき ふゆも
もみのき もみのき ときわに あおき

別の詩による「もみの木」一例をあげておきます。

「O Tannenbaum 」ドイツ語詩の意味

元のドイツ語の詩の意味です。(なるべくわかりやすい直訳にしています)

おお もみの木よ 
君の葉はなんて誠実なんだ
君は夏だけではなくて、冬も、雪が降っても緑だ。

おお もみの木よ
僕は君が気に入った
何度ものクリスマスに
君は僕をとても喜ばせたか

おお もみの木よ
君の衣は僕に教える
希望と不変なるものと
慰めと力を

「O」と「Oh」は違います

ところで、この「O Tannenbaum」のドイツ語ですが、最初に私がこのタイトルを読んだ時、

「あれ? Oh Tannnenbaum」ではないのかな?と疑問に思ってしまいました。実はこの「o」と「oh」は違うのですね。

o = 呼びかけの強調

o は呼びかけの強調です。そして、その後に呼びかける対象の名前などが来ますが、oの後にコンマは来ません。

  • O Tannenbaum
  • O Gott! (おお 神よ!)

oh = 喜び、驚き、願望などを表す

oh はおお、とか、まあ、とか、うわあ、といった驚きなどを表す時の間投詞です。(oも間投詞ですが)その後に単語が続く場合は「コンマ」を入れます。

  • Oh, wie schön! (なんてきれいなのかしら!)
  • Oh, das tut mir leid!(まあ、お気の毒に!)

「O Tannenbaum 」ツァルナックの元の詩

最後に、この「もみの木」の元のツァルナックの失恋の歌、読んでみませんか? 2番の詩は以下の通りです。

O Mägdelein  O Mägdelein
wie falsch ist dein Gemüte!
Du schwurst mir Treu in meinem Glück
nun arm ich bin, gehst du zurück.
O Mägdelein  O Mägdelein
wie falsch ist dein Gemüte!

おお 娘よ
なんて君の心は間違っているんだ
君は僕の幸福の中で誠実を誓ったけれど
僕が貧乏だから君は行ってしまう
おお 娘よ

この2番の後、3番はナイチンゲールは秋には去ってしまう、4番は谷の小川が雨が降れば流れ、日照りには水が枯れる、と変化する=誠実でない、とうたっています。

その点、「もみの木」はいつでも、夏でも冬でも緑だから永遠だ、誠実だ、というわけですね。

元は心変わりした恋人が許せなかった、恨みの歌だったようです。まあ、永遠なんて・・その・・ありえないような・・(以下省略)

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