個人的には全く乗る気になれないイベントがやってきます。
それは…
カーニバル!
今年2026年は2月16日がカーニバルのハイライト「ローゼンモンターク(Rosenmontag)です。
今回はドイツのカーニバルについて紹介します。
カーニバルとは?
ドイツのカーニバルは、キリスト教の四旬節(断食期間)に入る前に思いきり楽しむお祭りです。時期はだいたい2月〜3月で、特にライン地方(ケルン、デュッセルドルフ、マインツなど)が有名です。

ドイツでも東部や北部はカーニバルを祝いません(カーニバルをするのはカトリックの強い地域)
仮装、パレード、音楽、お酒、ジョーク(しかも政治風刺が強め!)が特徴で、街全体がかなりカオスで陽気な雰囲気になります。
キリスト教の四旬節とは?
四旬節(しじゅんせつ、Lent)とは40日間という意味。
「灰の水曜日」から復活祭(イースター)前日までですが、この間の日曜日は断食をしないためカウントしないので実際は復活祭までの46日間です。
イエスが荒野で断食した期間に由来します。

今年2026年は4月5日が復活祭の日曜日。
その46日前は2月15日(水)で、この日が「灰の水曜日」です
なぜ四旬節前にカーニバル?
この四旬節の間は伝統的に
- 肉や脂っこい食事を控える
- お酒を控える
- 派手な娯楽を避ける
つまり、かなりストイックなのです。(現代は本当にこれを守る人はほとんどいない)
だからその前に「食べる!飲む!騒ぐ!仮装する!」というお祭りが生まれました。

我慢する前に大騒ぎをしよう、というのはわかる。
けれど、今は大騒ぎをする伝統だけ残っている感じ。
カーニバル(Karneval)は語源的に
- ラテン語の carne(肉)
- vale(さようなら)
「肉よ、さようなら」=断食前の最後の大騒ぎ、という意味合いです。
カーニバルには社会的な意味もあった
中世のヨーロッパでは、カーニバルはただの宴会ではなく
- 身分逆転(庶民が王様の格好をする)
- 権力者や政治への風刺
- 普段言えないことを笑いにする
という、ガス抜き+社会批評の場でもありました。
だから今でもドイツのカーニバルは政治風刺の山車やジョーク が多いのです。
カーニバルといえば「仮装」。
なぜ仮装するの?
- 身分や素性を隠す
- 「いつもの自分」から自由になる
- 善と悪・冬と春の境目を表す(古い民俗信仰)
という意味が混ざっています。
カーニバルをドイツ語でいうと
地域によって呼び方が違います。
- Karneval(カーネヴァル)
一般的・標準的な言い方。ケルン周辺でよく使われます。 - Fasching(ファッシング)
主に南ドイツ(バイエルン)やオーストリア。 - Fastnacht / Fasnacht(ファストナハト/ファスナハト)
西南ドイツやスイス寄りの地域。
全部「カーニバル」だけど、地元の人にとっては呼び名が超大事だったりします。
ドイツの三大カーニバルは?
ケルン、デュッセルドルフ、マインツのライン川沿い3都市で行われるカーニバル。
11月11日11時11分に始まり2月~3月の「バラの月曜日(Rosenmontag)」に最高潮を迎える大規模なお祭り 。仮装パレードで沿道の人にお菓子(Kamelle)を投げるのが特徴です 。

投げられるお菓子を集めるために、傘を広げて逆向きにして持っている人もいるのがデュッセルドルフ
ケルンのカーニバル(Karneval in Köln)
雰囲気
とにかく陽気!感情的!一体感!
- 街全体が「カーニバル一色」
- 知らない人同士でも肩を組んで歌う
- 仮装率がめちゃくちゃ高い
特徴
- 合言葉:Alaaf!
- 市民参加型(普通の人が主役)
- 歌が多く、地元方言(ケルシュ語)の曲が定番
- 「楽しいかどうか」が最優先
「人生楽しんだもん勝ち」系カーニバル
デュッセルドルフのカーニバル(Karneval in Düsseldorf)
雰囲気
クール+毒舌+政治風刺
- ケルンより落ち着いて見える
- でも中身はかなり辛辣
- 「笑いながら刺す」感じ
特徴
- 合言葉:Helau!
- ローゼンモンタークの山車が超過激
- 首相、世界の政治家、大企業を容赦なく皮肉る(新聞で紹介されます)
- 仮装はケルンより控えめだがセンス重視
「笑って考えさせる」カーニバル
マインツのカーニバル(Fastnacht in Mainz)
雰囲気
言葉の祭り・知的・演説中心
- 他2都市より静かに見える
- でも内容はかなり鋭い
特徴
- 呼び名は Fastnacht
- 名物はBüttenrede(風刺演説)
- 時事・政治・社会問題を言葉で斬る
- テレビ中継される「演説イベント」が中心
- 仮装よりも「話の中身」が主役
「頭で楽しむ」カーニバル

ケルンとデュッセルドルフはライバル同士!
合言葉など間違えないように!

カーニバルは「第5の季節」(die fünfte Jahreszeit)
カーニバルは「第5の季節」と呼ばれます。どうしてなのか?
「春夏秋冬とは別に、人々の心と社会のルールが切り替わる“特別な期間”だから」です。
① カーニバルは“季節”のように毎年やってくる
ドイツ、特にライン地方では、
- 毎年ほぼ同じ時期に始まり
- 準備期間が長く
- 終わると日常に戻る
という意味で、自然の季節と同じくらい生活リズムに組み込まれているのです。
ちなみに正式な始まりは
11月11日11時11分(数字11は「道化の数字」)
② この期間だけ“別のルール”が許される
第5の季節の最大の特徴はこれです。
- 上司をネタにしてもOK
- 政治家を思いきりバカにしてOK
- 仮装して別人になってOK
- 普段はしないハグや大騒ぎがOK
社会の上下関係や常識が一時停止します。まさに
「日常とは別の世界=別の季節」。
③ 「心の季節」という意味合い
ドイツ語で季節 Jahreszeit は、
単なる気候だけでなく「生活のリズム」も含みます。
カーニバルの時期は
- 人々のテンションが上がり
- 仕事より祭りが話題になり
- 街の空気が変わる
気温じゃなく“気分”が変わる季節。だから「第五の季節」。
④ ライン地方では特に本気
特にケルン・デュッセルドルフ・マインツでは、
子どもも大人も学校も職場もニュースもテレビも全部カーニバルモードになります。
「春が来た」より
「第五の季節が来た」のほうが
体感的にデカい、という人もいます。
⑤ 冬と春の“境目”という意味も
民俗学的には、
- 冬の終わり
- 春を迎える前
という境界の時期。
境目には
- 仮面
- 逆転
- 混乱
- 笑い
が生まれやすいとされ、
それが「特別な季節」という感覚につながっています。

だから「第5の季節」と呼ばれるわけね

ドイツのライン地方では「第5の季節」と言われるほどのカーニバルですが、ドイツ人が皆このカーニバルに喜んで参加するわけではありません。
私はカーニバルの盛んなデュッセルドルフに住んでいますが、カーニバルは正直苦手。私の周りにもカーニバルが嫌いな人は多く、「カーニバル難民」をするほどです。
カーニバルの「バラの月曜日」は法定祝日ではありません。が、デュッセルドルフなどカーニバルが盛んな地域では学校や職場がお休みになることが多いのです。
週末を入れれば連休。この休みを利用して旅行にでかける人も多いです。私もそうしたいけれど寒いのは嫌だなあ。
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