ドイツの小学校の英語教育は3年生からになったのですって〜まずは母国語をしっかり習得しよう

語学学習エッセイ
この記事は約4分で読めます。
記事内に広告が含まれる場合があります

こんにちは、shirousagiです。

これを書いている本日は3月12日。学校はイースター休暇まで後2週間です。

が、2021年は8月18日から始まる新学年度に関して、新しいカリキュラムなどがよく発表されています。(ドイツは夏休み後に新学年が始まります)

この夏休み後の新しい教育プランによると、ここノルトライン=ヴェストファーレン州では

それまで1年生の後半からスタートしていた英語の授業は3年生からになる

のだそうですよ。

今までより2年半も英語教育のスタートが遅くなるのですね。

英語教育を遅く始める理由

外国語の習得は始める年齢が低くければ低いほど「自然な」言語として身について、良いのではないか、と思いますよね。

ところが、ドイツの小学校での英語学習のスタートは遅くなりました。(といっても、3年生からですが)

その理由は

  • まずは母国語をきちんと身に付けさせる
  • ドイツ語でキチンと読み書きできるようにする
  • 難民の子供など外国人の子供が増えた中、ドイツ語と英語の両方を一度に始めるのは子供にとって混乱を巻き起こす
  • これまでの子供の英語学習の成果から、1年生から英語学習を始めても、5年生になった段階でも英語力がない
  • 外国語学習の開始が早すぎて、その後、外国語を習うことに対するモチベーションが下がる

なのだそうですよ。

子供によっては早く英語教育を始めても大丈夫だか・・・

子供の学習能力など、子供により差があるので、必ずしも

「外国語を習うには小学校1年生からでは早すぎる」

とは言えませんが、外国語を習得するには母国語をきちんと習得しておくことはとても大事だと感じます。

最近はあまり耳にしなくなったのですが、日本でも、英語の早期教育が一時盛んだったようで(もしかして、今も?)幼稚園、あるいはそれ以前から家の中でも英語を話す、という家庭があったとか。(家族は皆日本育ちの日本人なのに)

怖いのは日本語もきちんと喋れないうちから、外国語を習わせると、

外国語そのものは身につくかもしれないが、その子の思考力がなくなる

ということです。

物事を深く考える時は頭の中で言語化していますよね。その言語がキチンと身についていなければ、思考が出来なくなります。

外国語を習得することはあくまでも手段。

将来アメリカの大学にいて研究をする、とか、世界中の人と繋がりを持つ、とか。

あくまでも目的を達成するための手段なのに、手段であるはずの「英語習得」に目がいって

「小さいうちから英語をならわせなくては!」と思い込むのは本当に危険だと感じます。

意外と正しく書けない子供たち

その母国語ですが、話せて理解出来るだけではなくて、正しく書けることも大事ですよね。

ドイツ語は日本語に比べると文字の数が少ないし、英語に比べるとスペルを覚えやすいのです。ですが、ドイツ人の小学生で、文章が正書法通りに正しいスペルでキチンと書ける子供が、意外と少ないのです。

というのは私の印象ですが、小学生4年生にもなるとちょっとした文章を綺麗に書いてくれるだろう、と思い、新しく私のピアノ教室に入った生徒さんに名前や住所、趣味などを書かせたら・・・

間違ったスペルのまま書いてくれる子供が意外と多くいました。

ちょっとびっくり。

これでは、先ずはドイツ語で正しく書けるようにトレーニングしなくてはならない、外国語である英語は、母国語をある程度きちんと書けるようになってから、というのも納得で来ます。

(もちろん、小学生で正しいドイツ語を書ける生徒もたくさんいます)

早く始めすぎると興味を失う

英語教育のスタートが遅くなった理由の一つが

「早く英語教育を始めると、外国語への興味を失う子供が多い」

これも納得できませんか?

外国語ってなにかわからない時期にすでに英語の学習を始めてしまって、よくわからないまま、なにか難しいな、とネガティヴな印象を持ってしまったら、余計に「外国語を習うって、大変なんだ」と思い込んでしまいますよね。

「世の中には色々な国があって、国によっては話している言葉が違うんだ。その国の人とおしゃべりするには、その国の言葉を習ったらいいんだ!」

とか思うと外国語学習へのモチベーションも上がりますよね。

======

思いつくまま、今日のドイツはノルトライン=ヴェストファーレン州で流れたニュースを聞いて、書きました。

外国語を身につける、ということは子供なら誰でも楽にできる、と思っている人が今でも多いような気がするので・・・

コメント

タイトルとURLをコピーしました