やはり健康なのが一番!〜岩城宏之・著「九段坂から」

読書
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読書の好きなshirousagiです。 特に音楽関係のエッセイが大好きです。

確か中学生だったと思うのですが  ある日、駅で 列車が来るまでの時間を潰すために入った本屋の店頭で見つけた、NHK交響楽団の正指揮者 岩城宏之氏が書かれたエッセイ本「棒振りのカフェテラス」

NHK交響楽団はテレビでよく見ることができるオーケストラ、そのオーケストラの正指揮者ということもあって、オーケストラ曲をよく聴き始めてまもない頃の私も 岩城宏之氏の名前はよく耳にしていたところで見つけた、この本。

「へえ? どんなことが書いてあるんだろう? 」 幸い文庫本で 手に入れやすい値段だったので 買ってすぐに読み始めたら これが 面白い!

音楽と関係があるから 面白い、だけではなくて エッセイとしてかかれた 岩城さんの文章が面白い!

岩城さんの文章にすっかりハマってしまって 本屋で見つかった岩城さんの著書は片っ端から買い集めたshirousagiです。 が リストにはのっているのに なかなか見つからなかった本がこれ。

本屋に行く度に文庫本のコーナーを覗き、朝日文庫のコーナーを片っ端から眺めるも 見つからない・・ すでに私はドイツ在住だったので 一時帰国の時(その時はせっせと本屋に数件行きましたが)注文をするのもためらわれ、「本屋の店頭にあれば買う」というスタンスで探していましたが 見つからず・・・

そうこうするうちに ネットショッピングの時代がやってきて アマゾンで本が簡単に買えるようになり、検索すると 出てきました。

ということで この本が書かれてから30年、去年の一時帰国の際にやっとこの本を入手。そして 先日、この本を読みました。 30年前に書かれたものです。 つまり 1988年。

岩城さんの書かれた本はまだまだたくさんあります。 これは私が所持している本の一部・・

思ったこと、体験したことなどストレートに書かれています。 ここでは書けないような内容でもおおっぴらに書かれているので それに抵抗がある人がいるかもしれません・・が 読みやすく、何と言っても面白い。

で 本題の「九段坂から」は 岩城宏之氏が 「頸椎後縦靱帯骨化症」(けいついこうじゅうじんたいこっかしょう)」という難病にかかり、その手術のための入院時の経験やそれまでの著者の事故や病気の経験などをメインに書かれたエッセイです。

治療に際しては 本のカバーに使われている写真のような器具をつけて首を固定する、という考えただけでも 苦しそうな治療・術後の様子ですが 文章は明るく、笑いが出て来るところもあるのは さすが、としかいいようがありません。

この本が書かれたのは前述の通り30年前の事なので、現在は治療法がもっと進んでいるかもしれません。 岩城宏之氏は 1932年生まれ。2006年に心不全のため73歳で亡くなられました。

この難病が指揮者の職業病と言える、とはいえ (この本の副題は「棒振りはかなりキケンな商売」)岩城氏がこの難病にかかったのは 一つは体が病弱だったのではないかとも思います。

野球やゴルフを好んでスポーツをよくやっていたようですが 子供の頃はかなり病弱で床についていたそう。

交通事故で与えた首への負担、指揮者としての仕事で与えた首への負担が もともとそれほど丈夫でなかった体に この難病の発症をさせた、と。 (余談ですが こういう交通事故の体験を聞くと ますます自家用車のシートベルト着用の大事さを痛感します)

新年のあいさつや誕生日を迎えた人へのお祝いや クリスマスなどの挨拶でも 相手の健康を願うメッセージを送ることが多いのですが、 本当に健康であれば 経済的な問題とか 解決に向けて走り出せます。 病気だと それもできない・・・

ドイツでは 新年には Gesundes neues Jahr!  (gesund=健康な)「健康な新年を!」と挨拶する人も多いですね。

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