2月の下旬までは、アジアで猛威を奮っていた新型コロナウイルス感染について、他人事のようにみていたドイツです。
ですが、イタリアに始まり、ドイツでも2月25日、26日あたりから国内で感染した人が出、急激に新型コロナウイルス感染者数が増えています。
そして、日本と同じ様に、大勢の人が集まるイベントなどが中止に追い込まれています。
ついに先日、ドイツの現保健相のシュパーン氏(Jens Spahn)が
1000人以上の人が参加する予定のイベントは中止するよう要請
しました。
ここドイツでも大ホールなどでのコンサートがしばらく中止、延期になります。
とりあえず、イースター休暇終わりの4月19日までは閉鎖、というコンサートホール、オペラハウスが増えています。かのベルリンのフィルハーモニーも4月19日まで閉館になりました。
ところで、日本では先日、びわ湖ホールプロデュースオペラ「神々の黄昏」が無観客公演をし、無料ライブストリーミング配信をした事が話題になりました。私も時差の関係で最初からは見れなかったのですが、(早起きすれば良かったですけれど)後半、PCの前でオペラ観賞をさせていただきました。。
また、東京都交響楽団もライブストリーミングをしています。
大ホールでのコンサートは出来なくなったので Geisterkonzert でライブ配信
ここドイツでも大勢の人が集まるイベントがしばらく出来なくなったため、しばらくは無観客でライブストリーミングするコンサートが次々と行われる様です。ケルンのギュルツェニヒ管弦楽団は1000人以上の集客のあるコンサートができなくなった3月10日に行ないました。
ベルリン・フィルなどはすでに(普通の観客の入っている)コンサートのライブストリーミングをしていますが、今回は観客はゼロでのライブ配信になりますね。
こんな無観客のコンサートをドイツではなんと表しているかと言うと
(das)Geisterkonzert (pl. Geisterkonzerte)ガイスターコンツェルト
Geistは精神とか霊とか、英語ならspiritとかghostとか、そう言った意味の名詞です。Konzertはコンサートですね。
お客さんがいないから、見えないから?
サッカーなどの無観客での試合は Geisterspiel
もっとも、先ほどあげた「Geisterkonzert」と言う言葉がいつから使われているのかはわかりません。コンサートをネットでライブ配信できるようになったのはごく最近の事です。それまでは無観客の演奏といえば、録音、録画。本当はコンサートホールでコンサートとして演奏するはずだったのに出来なくなった。けれど、予定通りにコンサートやオペラの上演をしたい、と言うケースはなかったと思われます。(おそらく今回が最初ですね)
ところで、今回、このコロナ騒動でコンサートなどが中止になる以外にも、サッカーの試合に観客を呼ぶ事が出来なくなっています。
スポーツ、特にサッカーで、観客なしで試合をする事はこう呼ばれています。
(das) Geisterspiel (pl. Geisterspiele)ガイスターシュピール
(コロナウイルス問題が起こる以前に)観客を入れて試合をすると危険な状況が発生するかもしれない、などの理由があって、リーグ戦の1試合などで、観客は入れずに試合をする事があった、あるのだとか。
ドイツでのプロのサッカーでは2004年に最初の無観客試合が行われたそうです。(1月のアーヘン とニュルンベルクの試合において)
なんらかの判定に不満となった観客が暴動を起こし、危険な状態となったため、無観客で試合を(再度)行う、など。サッカーでは往々にして、観客が暴れる事が残念ながら発生しています。
観客が物を投げたりなどして暴れて、選手やコーチなどチーム関係者、他の観客に迷惑をかける様であれば、命にも関わるかもしれません。こう言ったケースが再発しないように、無観客で試合をするのもやむを得ません。
観客が暴動を起こしたために観客を入れずに試合をするのは仕方ないですが、今回の感染症の拡大を防ぐためにコンサートやスポーツの試合を人々の前で行う事ができないのは、そして、それをライブでその場で生の音で聞けない、見れないのは大変残念な事です。
早く、この事態が収まりますように・・・
コメント