この記事は当ブログを始める以前のブログ「(旧)ドイツに住むうさぎより」の記事「ドイツ語が話せるようになるまでどのくらいかかりますか?」をリライトしたものです。
「旧・ドイツに住むうさぎより」ブログ内で一番よく読まれていた記事なので、こちらに改めて書き直します。(旧版ブログはまもなく閉じる予定です)
「ドイツ語が話せるようになるまで、どのくらいかかりますか?」
日本人ばかりの食事会に出かけた時の事。
複数の方に
「ドイツ語が話せるようになるまでどのくらいかかりますか?」
と質問を受けたので、ここでその私の個人的体験と全く個人的な見解による答えを書きたいと思います。
質問された方はすでにドイツにお住まいの方ですので、質問の意図は「ドイツに住みはじめてから どのくらいでドイツ語をスラスラと理解してドイツ人と会話ができるようになるか?」だと思われます。
そういえば、アメリカに渡って1ヶ月は、じっと我慢して周りの人が話す英語を聞いていたら ある日突然、英語を聞き取れるようになる、とよく言われていたので
質問の意図は「ドイツに住んでどのくらいたったら、ドイツ語の会話を聞き取る事ができて理解できるのですか?」という意味でもあるのかもしれません。
結論をいうと・・・
ドイツに住むだけではドイツ語は話せるようにはなりません
ただドイツに住んでいるだけではドイツ語を話せるようにはなりません。残念ながら・・・
以前、駐在員の妻、としてドイツに滞在していた友人の中に
6年滞在でも あまりドイツ語が喋れず、(ドイツ人の知り合いはいたようです)
日本本帰国が決まってから
「これでは・・帰国したら日本のみんなにドイツ語が喋れる、と思われるから」と あわててドイツ語教室に通った方がいます。
ドイツに住めば、たとえ日本人が多い地域でもドイツ人と全く関わりなく過ごすことはないので(レストランやパン屋さんに行く、公共交通機関を使う、などで)生活に困らない程度はドイツ語が使えるようになりますが、それ以上のドイツ語力を身につけるには、やはりちゃんとした勉強は欠かせません。
イギリスやアメリカに渡ってから英語を理解できるようになるまでとは ドイツ語の場合は違います
英語は、たとえ学校の成績が悪かったとしても、何年か学校で習っています。大抵の人はある程度の簡単な文法をすでに身につけているでしょう。
ドイツ語の場合は・・・
- 全く習った事がない
- テレビやラジオの講座、文法のテキストなどで独学した
- 日本で大学の第2外国語として学んだ(もちろん、第一外国語として選択するとか、独語・独文科で勉強している人もいますが)
- 日本で語学学校のドイツ語コースに通った
という人がほとんどで、英語のよう何年も、義務教育期間中から習っていた、という人はあまりいませんよね。
しかも、特にインターネットが普及してからは、ネットでよく使われる言語が英語であるし、
(おかげであれだけ英語が日常には入っていなかったドイツでも、ドイツ語中に英語の単語がよく入るようになりました)
インターナショナルな場では英語が使われる事がほとんどだと思います。
それに・・英語は文法も初級はそれほど難しくありません! (中級になるとドイツ語の方か簡単かもしれません)
ドイツ語を習得するには
① まずは ドイツ語の文法をきちんと勉強します。
その際には最初は日本語で説明されている文法書などで勉強するのが良いでしょう。
ドイツ語の知識ゼロでいきなりドイツ語で説明されても わかりにくいですよね。それに基礎は「だいたいこんな感じ」ではなく、しっかり理解しておくことが必要だと感じます。
② ある程度の文法の基礎、基本的な単語などを理解し、覚えてしまえば できればドイツでドイツ語学校に毎日通って、1日2〜3時間以上のドイツ語授業を受けます。
徹底的に集中してドイツ語に取り組む方が 結果は早いと思います。
ドイツで習得するメリットは、やはりドイツ語に触れる時間が圧倒的に長くなる事です。当たり前といえば当たり前ですが、これが大変なメリットなので、最初はあまり日本人とばかりコンタクトを取るのも考えものです。せっかくのドイツ滞在、ドイツ語習得目的なら、ドイツ語で考えられるように、なるべく日本語に触れるのは避けましょう! (と言ってもドイツ語ばかりでストレスになるようなら、適度な休憩〜日本語でおしゃべりするなど〜は必要です!)
また、日本人は 書いて覚える方が きちんと覚えられる人が多いので テキストを使わない会話だけの授業ではなく、作文をする、新聞記事などの要約を自分の言葉で書く、耳でテキストを聞き、内容を自分の言葉で書く、などの練習をする授業がとても役に立ちます。
最近は 芸術系の留学生でも語学が重要視されるので 語学学校に3ヶ月以上は行くように勧められる、または義務となっているところも多いようですが、最低、3ヶ月は語学学校で集中的に勉強するのは本当におすすめです。
③ 基礎が固まれば、ドイツ人との会話のチャンスを作る、ドイツのテレビを見る、ラジオを聞く、と普通にドイツ人が喋っていることを聞くチャンスを増やして できるだけドイツ語の発音や「自然なドイツ語の会話の言葉の選び方」などを体験的に学習していきます。
しっかり集中して勉強すれば 2の段階の語学学校を3ヶ月くらい通ったところで
一応、ドイツ人との会話もできるようになり、ドイツで暮らすのに必要なドイツ語の能力はつくと思います。が、結婚してドイツに来て主婦業や仕事で忙しくて ドイツ語の勉強はしたけれど集中してできなかった、という方、週に2時間程度のドイツ語授業しか受けていない、という方の中には、10年以上ドイツに住んでいて、家族がドイツ人でも ドイツ語があまり喋れない、という人を時々見かけます。
以前はドイツ駐在の会社員たちも ドイツ駐在の最初の3ヶ月は(会社の費用で)仕事はせずにドイツ語学校に毎日通い、ドイツ語を身につけてから ドイツで仕事にとりかかった、ということをしていた会社もあったそうです。
(現在は職場での言語はほとんど英語となり、ドイツ語を最初に3ヶ月集中して習う、という事はないそうですが)
ドイツ滞在3ヶ月くらいでドイツ語が身近になるかもしれません
というわけで
質問の答えをあげる、とすれば、
ドイツに来てから ちゃんとした語学学校で毎日徹底的に勉強して、自宅での宿題や復習にも力を入れれば、ドイツ滞在3ヶ月、で ある程度の結果は出る、
というところでしょうか。
最初に徹底的に語学の基礎を頭に入れておけば(まあ、出来れば若いうちがいいですね)
それから 専門の勉強なり 例えば音楽の勉強なりして ドイツ語を特に勉強する機会がなくても、ドイツ語と接する機会を作っておけば(これは大事です!せっかくドイツ語を習っても、そのあと日本人とばかり付き合って日本語ばかり使っていると、ドイツ語は出てこなくなります) それなりにドイツ語を使いこなせます。
ですが、ちゃんと勉強しないまま ドイツに住んでいれば ドイツ語はいつかは喋れるようになるだろう、という考えは持たない方が・・良いですね。
いつまでたっても ドイツ人にはよくわかってもらえないドイツ語しか喋れず、ドイツ人とのコンタクトは苦手、ということになりかねませんから・・・
コメント