久しぶりに 予定のない週末の午後のひと時、がありました。 (仕事柄、普通の会社員だと働いている時間が私はオフで 週末は結構忙しいのですが・・)
そんな週末の午後のひと時は 戸外に出る、博物館や美術館に行く、散歩をする、または ゆっくりとコーヒータイムにする。。 そう、コーヒータイムには ケーキが欠かせません。
男性でも甘党の多いドイツ。 ビールも飲むけれど ケーキも一度に2切れ食べる、などと言う人も少なくありません。 料理はあまり得意でなくてもケーキを焼くのは好き、と言う人も多く、コーヒータイムに友人宅などに招待されると お手製のケーキもご馳走になることも多いです。 学校のバザーや持ち寄りパーティをすると 料理よりケーキを持参したがる人も結構います。
そんな 初冬(こちらの暦の上はまだ秋)の午後のひととき、今回は急にオフになった1日だったので 近所のパン屋さん(例外でパン屋さんは日曜日にもお店を開けて良い)でケーキを買って来ました。
それがこれ
「Donauwelle」(Donau=ドナウ川、welle=波・・「ドナウの波」と言いましょうか)です。
Donauwelleと言うケーキは
ドイツの伝統的なケーキの一つです。 一般的には オーブンの天板を使って焼き、四角に切り分けます。(丸いTorte〜トルテ〜ではなく)
明るい色のスポンジの上にさくらんぼ、そのさくらんぼの上にカカオ味のスポンジ(黒っぽい色ですね)それからバタークリーム、またはカスタードクリーム、マジパンなどのクリーム、そしてチョコレートか カカオ味のアイシングがかかっています。
名前の由来
どうして「ドナウ川の波」と言う名前が付いているのか ドイツ人もわからないそうですが 白っぽいスポンジと黒っぽいスポンジの間にさくらんぼを挟むと 2種類のスポンジの境目が波をうったような形になるから・・と言う説をよく聞きます。
ケーキの上にかかっているチョコレートも波模様が付いていますね〜〜
今回食べたDonauwelle(ドナウヴェレ)はカカオ味のスポンジがほとんどありません。波模様も今ひとつはっきりしていません。 さくらんぼはたっぷり入っていました。
「ドナウ川の波」は 「白雪姫ケーキ」とも
この「ドナウ川の波」と言うケーキ、地方によっては(特に旧東ドイツ)「Schneewittchenkuchen」(シュネーヴィットヒェンクーヘン)とも呼ばれているそうです。Schneewittchenとは「白雪姫」。
グリム童話の「白雪姫」には 最初に次のような場面があります。
„hätt ich ein Kind so weiß wie Schnee, so roth wie Blut, und so schwarz wie das Holz an dem Rahmen.“
(1857年の「Schneewittchen」より)
冬のある日に(黒檀の窓枠の)窓際に座って縫い物をしていた女王が うっかりして針で指をさしてしまい、指から血がでて、その血が外に積もった雪の上に落ちたのを見て 「雪のように白い(肌)、血のように赤い(唇)、窓枠のように黒い(髪)を持った子供が欲しい」 と思います。
(引用のドイツ語は古い、その当時の書き方です。)
この「白雪姫のケーキ」だと 名前の由来はわかりやすいですね。
白=下側のスポンジ、 赤=さくらんぼ、 黒=カカオ味のスポンジ。
ところで・・・
私はこの「Donauwelle」のケーキを食べる度に思い出すケーキがあります。 それは「黒い森のさくらんぼ酒のケーキ」(Schwarzwälder Kirschtorte シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ)。
ドイツ南西部の「黒い森」地方に伝わるケーキですが これも カカオ味の黒いスポンジにさくらんぼ、カスタードクリーム(またはホイップクリーム)がふんだんに使われています。(明るい色のスポンジはないですが・・)
カカオとさくらんぼ、と言うことでついつい思い出してしまうのかもしれません。 以前、「黒い森地方」のフライブルクに住んでいたので とても懐かしいケーキです。 今度は この黒い森のさくらんぼ酒のケーキを買ってこようかな??
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