こんにちは、shirousagiです。
コロナ禍でおうち時間が圧倒的に長くなった今、片付けに励んでいる人も多いかと思います。
私も年末年始と片付けに励み、家にある紙の本の整理中です。まだ読んでいないけれど、そのまま捨てるのは惜しい!一度は読んで、それから手放そう!と思った本を次々と読んでいるところなのですが、そんな本の中に
「英語の新しい学び方」
という本がありました。著者は松本享さん。発行は1965年と50年以上前に書かれた本なのですが、この内容が今でも通じる、そして英語だけではなくて外国語学習全般に通じると思ったので、ここで私の経験談とともにシェアしたいと思います。
ドイツ語学習で行き詰まってしまった、という方の何かの参考になれば幸いです。
「英語の新しい学び方」松本享
講談社現代新書の一冊で、新書版、とても読みやすい本です。
このブログはドイツ語学習者向けなので、ここでは外国語、またはドイツ語として本書を私が私なりにまとめてお話します。(英語とあってもドイツ語でもあてはまります)
なぜ日本人の外国語は上達しないのか?
ここでは特にこの3点をあげます。
- ふりがなをつけるから
- ローマ字は英語ではない
- 外国語を日本語に訳するな
ドイツ語はローマ字読みに近いので、英語と違って、とりあえずローマ字読みで学習を初めてもそれほど困らないかと思います。また、ローマ字読みに近いのでふりがなをつけても良いですが、ふりがなをつける必要性もあまりないのではないでしょうか?
「外国語を日本語に訳すな」というのは本当に大事です。そして、ドイツ語を話す時は日本語からドイツ語に訳すのをやめましょう。これについては後ほど説明します。
単語の覚え方
- 20回つきあう(何度も書く)
- 幅広く覚える(関連のある単語を)
- 長続きするように覚える(使い方で覚える、文章で覚える)
人同士でも何度も会う、良く会う人には好感を持つようになる、と言われます。
たった一回しか書かないといつまで経っても身近に感じられない単語も20回も書けば親しみが湧くようになるのではないでしょうか?
また、特に前置詞などは文章や使い方で覚えた方が習得は早いですよね。
外国語上達の秘訣
外国語をマスターするということは
- 読む
- 書く
- 話す
- 聞く
この4つの分野で外国語が使えるようになる、ということですね。
この4つをマスターするために、著者は外国語の本を沢山読むことを勧めています。
外国語を読む
読むとは理解することであって、日本語に訳すということではありません。
外国語の実力は外国語を読むことにに始まります。たくさん読む方が良いのですが、たくさん読むためには、速く読めないと疲れてしまって、読む気がなくなりますね。
そこで著者が勧めているのは
一字、一語づつ目で追わないで、2語、3語まとめて見る
in die Schule (学校へ)という語が並んでいたとして、
inを見て、それからdieを見て、それからSchuleを見て・・・と一つ一つの単語をバラバラに読んでいては理解もし難いですし、疲れますよね。
ましてやi..n…d…i…e…S… と文字を一つ一つ追っていては何がなんだかさっぱりわからなくなります。
キーワードを見つける
書かれている単語を全て丁寧に読まなくても文章の理解は出来ます。(日本語だって全ての単語を丁寧に読んでいるわけではありませんよね)
英語でもドイツ語でもそのテキストで大事な単語さえ抑えれば良いのです。
大抵は
名詞、動詞です。(特に他動詞)
こうして細かいことに囚われず、多読をすることが勧められています。
外国語を書く
直訳で外国語は書けない
英語(ドイツ語)で書きたいことをまず日本語で考えた場合、
- 日本語の文章から主語を日本語から英語にします。
- 日本語の文章から動詞をみつけて英語にします。
- 日本語の文章から時制を考えて「現在完了形かな?」などと推測します。
このようなプロセスをたどって出来た英文は、どことなく不自然な英文になることが多いのです。
英文に多く当たっていた場合(多くの英語の本を読む)自然と英語の文章が出てくるようになります。
実際、日本人の書くドイツ語を見ていると、「頭の中は日本語だな」と思う文章に出会うことがあります。すると「間違っているとはいえないけれど、どこかおかしい」ドイツ語文章になっているのです。
入れ替え作業をする
文章の中の1語か2語を他の語と入れ替えて作文します。
この時に絶対に無理をしてはいけません。
個人的にもこの「入れ替え作業」は超・おすすめです。
私はこの入れ替え作業でドイツ語で日記を書いていました。
例えば・・・
Ich habe einen Bleistift gekauft. (私は鉛筆を買いました)と言う文章を習った日には
Ich habe ein Heft gekauft. (私はノートを買いました)など、自分が買ったものに変えて文章を作っていました。
簡単な文章で1語くらいだけ変えて作文する。するとその作文中にドイツ語で考えられるようになります。このような自分にとって簡単な、本当に無理をしない作文をいくつもしていると、頭の中でもドイツ語で考えるようになります。
英語(ドイツ語)で考える
この本では例として、電話が鳴ったら「The telephone」と思う、とあります。
日本語で「電話がなった」と思わずにいきなり英語で「telephone」と考えるのです。
お腹がすいたら「food」を想像する、のだとか。
余談ですが、ドイツ語が理解出来ない日本人に「今、あのドイツ人、なんて言った?」と尋ねられることがあるのですが、咄嗟に日本語に訳せないことは多いのです。
すると、「あれ?ドイツ語わからないのかな?」と思われるようですが、ドイツ語を聞いている時にはドイツ語で理解してしまって、日本語に訳さないので、「日本語でなんというのだろう?」と考え込むことは頻繁にあります。
通訳、翻訳はまた別の技術が必要なのですよ。
会話
会話も読み書きの秘訣に似ています。
- 大切なことを聞き取る(キーワードが聞き取れれば意味はわかります)
- 相手の言うことをある程度予測する
- 決まり文句が多いからそれを覚えておく
ヒアリング
英語のヒアリングは難しい、と著者がおっしゃていますが、本当にドイツ語など外国語で聞き取るのは大変です。
話すのは自分のペースで出来ても、聞き取るのは相手のペースに合わせなくてはなりません。「あれ?これどう言う意味だろう?」と思ったところで、相手の話はどんどんと先に進んでしまいます。
とはいえ、恐れずチャレンジです!
ヒアリングでも会話と同じく
- 大事なことを聞き取る
- 話を予測しながら聞く
大事なこと、キーワードが理解できれば相手の話す内容が理解できます。そして、話の予測ができれば相手の話の推測が出来て、聞き取りがラクになりますよね。
外国語をマスターしたい人へ
最後に著者が「英語をマスターしたいあなたへ」としていくつか書かれているのですが、
その中で(社会人読者に向けて)
志を同じくするものといっしょに生活をしなさい。
そしてその人との日常の会話は、全部英語でおやりなさい。
私はドイツに来て、まずはドイツ語語学学校に通いました。
その学校には日本人の学生が多くいたのですが、その中でほぼ同年代の元教師だと言う女性と仲良くなりました。
彼女、絶対にドイツ語をマスターする!と、とても熱心で、私に「これからはなるべく、少なくとも学校ではドイツ語で会話しましょう」と提案してきたのです。
最初は「日本人同志、2人ともドイツ語はまだまだ初心者だし、間違ってばかりのドイツ語をしゃべることになるけれど、役に立つのかな?」と半信半疑でした。
が、これがとても役に立ったのです。
しかも彼女は学校の先生だったというだけあって、はっきりと大きな声で喋ってくれて、刺激を受けた私も彼女に負けまい、とはっきり喋っていたのです。(はっきり喋ることも大事です)
一緒に生活、と言っても一緒にいたのは学校への登下校、授業の間の休憩時間くらいでしたが、とても良い勉強に、そして良い刺激をその友人から受けました。
同じ志を持つ人を探すのは大変かもしれませんが、仲間の存在というのはありがたいものですね。
古本だとまだ入手可能のようなので、もし興味がある方は実際に本を手にとって読んでみてください。英語の例文もたくさんあるので、鍵となる言葉がどう言う意味か、わかりやすいかと思います。
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