ドイツ語の動詞には「複合動詞」と呼ばれるものがあります。 複合動詞とは
「前綴り」+ 「動詞」
で できた動詞です。
この前綴りによって 複合動詞も「分離動詞」と「非分離動詞」に分けられます。
「分離動詞」とは
前置詞、形容詞、副詞、名詞など その語が単独でも使われる言葉が前綴りになっています。 この場合は 前綴りにアクセントが来ます。 そして 何と言ってもこの動詞は 文中で使われる時は 前綴りと動詞が離れてしまうことです。 (なので分離動詞)
例えば・・aufstehen (起床する・立ち上がる)
- auf=前置詞のauf(上に、上へ)
- stehen=立つ
この動詞aufstehenを使って肯定文を作ると
Ich stehe um 6 Uhr auf. (私は6時に起床します。)
あ〜〜あ、aufstehenがaufとstehenに別れて さらにその間にum 6 Uhrが入ってしまった・・
疑問文でも 前綴りが最後です。
Stehst du um 6 Uhr auf ? (君は6時に起床しますか?)
分離動詞の前綴りはどうして文末?
ところで どうして前綴りaufが最後で stehenが2番目に来ているのでしょう?
ドイツ語では不定形では(文章ではなく)動詞は最後になります。
um 6 Uhr aufstehen (6時に起床する)
この「不定形」を使って文章を作ります。 主語をich(私)にすると
Ich um 6 Uhr aufstehen
ここで 主語 ichに対して動詞stehenが人称変化(stehe)、さらに動詞は文頭から2番目に来ますね。 なので
Ich stehe um 6 Uhr auf.
あ〜あ、前綴りは文末に残したまま、動詞本体だけが2番目に行っちゃった・・・
「非分離動詞」とは
以下の前綴りがついた場合は 非分離動詞となります。 前綴りと動詞は分離しません。アクセントは前綴りにはありません。
- be-
- emp-
- ent-
- er-
- ge-
- miß-
- ver-
- zer-
- wider-
Ich verstehe Deutsch. (私はドイツ語を理解します。)
Besuchst du deine Eltern? (君は君の両親のところに行くのかい?)
「私たち、いつでもくっついているのかしら? それとも分離するのかしら?」
「え?私が前綴り? 」(あら、私が動詞よね?)
「分離動詞」にも「非分離動詞」にもなる前綴り
前綴りがついた動詞は その前綴りで「これは分離動詞だな」とか「これは非分離動詞だな」とわかるのですが、中には 分離動詞にも非分離動詞にもなる前綴りがあります。
- durch-
- über-
- unter-
- um-
- wieder-
一つの単語に複数の意味がある場合、意味によって分離する場合と非分離になる場合にわかれます。 このケースで一番よく試験に出たのが「übersetzen」! (多分今でも一番よく出るはず・・)
übersetzen
- Der Fährmann setzt uns über. 渡し守は私たちを向こう岸へ運ぶ
- Der Professor übersetzt das Buch aus dem Japanischen ins Deutsche. 教授はその本を日本語からドイツ語に翻訳する
1.の場合の übersetzenは「(船で対岸へ)渡す」 という意味。 前綴りのüberが川を超えるという前置詞的な役割をしています。なので分離動詞。 アクセントもüberにつきます。
2.の場合のübersetzenは「翻訳する」という意味。 この場合は分離しません。なので アクセントもsetzenにつきます。
分離動詞を使っての文章の作り方はこちらです。
僕は6時に起きるんだよ。君も6時に起きる? 僕たちに朝食として人参をくれる?
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