先日、病気になって点滴をうけていたおじいさんうさぎのぶらうん1です。
「病気の」という形容詞は 「krank」(クランク)。「 病気のうさぎ」といえば「ein krankes Kaninchen」。
「病気の(男の)人」だと 「ein kranker Mann」ですね。 でも、この時に男の人という「Mann」という名詞を省略して「ein Kranker」と大文字で書き始め、「病気の(男の)人」「病人」と名詞のように使うことが出来ます。
このように 形容詞krankを格変化させて そのまま続く名詞(何が続くのか明らかになっている場合)を省略し、形容詞そのものに名詞の働きをさせることを「形容詞の名詞化」と言います。
理論上は全ての形容詞(および「分詞」)を名詞化することが可能です。 実際に使われるのは その形容詞の性質をもった人、人々の場合、またその形容詞の性質をもった事物、その性質そのものを表す場合です。 (って?と思っても心配せず例をみてくださいね)
名詞化とはいえ、形容詞としての格変化をします。
Ich war krank!
形容詞の名詞化・作り方
普通だと 「冠詞」+「形容詞」+「名詞」 ですね。
- ein kranker Mann / der kranke Mann
この時、名詞が「Mann」(男の人)など 誰の事か 明らかでわかりきったことの場合だと
- ein kranker Mann → ein Kranker
- der kranke Mann → der Kranke
と、名詞Mannを省略する事が出来ます。
この時 元々形容詞の「krank」を大文字で書き始めます。 そして形容詞の格変化をします。
形容詞の名詞化の例 (人を表す場合)
ここでよく名詞化される形容詞を4つほどあげておきます。 人を表すのですから 男性・女性または複数形になります。
形容詞(Adjektive) | 単数(der/die) (ein/eine) |
複数(die) (冠詞のない場合) |
|
---|---|---|---|
bekannt(知られた) | der/die Bekannte ein Bekannter/eine Bekannte |
die Bekannten Bekannte |
知人 |
deutsch(ドイツの) | der/die Deutsche ein Deutscher/eine Deutesche |
die Deutschen Deutsche |
ドイツ人 |
krank(病気の) | der/die Kranke ein Kranker/ eine Kranke |
die Kranken Kranke |
病人 |
tot(死んだ) | der/die Tote ein Toter/ eine Tote |
die Toten Tote |
死者 |
形容詞の名詞化の例 (性質や物を表す場合)
その形容詞の性質を持つ事物を表します。中性名詞になります。
形容詞(Adjektive) | das + | ein + | |
---|---|---|---|
gut(良い) | das Gutes | ein Gutes | 良い事 |
neu(新しい) | das Neue | ein Neues | 新しい事 |
schön(美しい) | das Schöne | ein Schönes | 美しい事 |
形容詞の名詞化・例文
では例文をみていきましょう。 形容詞の格変化をするということが鍵ですね。 どの冠詞がついているのか、文章中でどの格になっているのか その点を抑えて正しい形の「形容詞が名詞化」した名詞をつけてください!
Ein Bekannter von mir spricht Japanisch. (私の知り合いは日本語を話します)
男性1格、不定冠詞がついているので Bekannter です。
Der Arzt hat vielen Kranken geholfen. (その医者はたくさんの患者を救いました)
複数3格で定冠詞がついていないので vielen Krankenですね。
Sie hat einen Deutschen geheiratet. (彼女はドイツ人と結婚しました)
男性4格、不定冠詞がついています。 Deutschenですね。
Gibt es etwas Neues? (何か新しいことがありますか?)
中性名詞4格です。 冠詞がないのでNeuesです。
この場合は 人ではなくて 「新しい事」を表します。
こんな時にも使われます。
” Hallo Monika! Na, gibt es etwas Neues?” (こんにちはモニカ! なにか新しい事(報告する事)ある?)
形容詞の名詞化・まとめ
という訳で 「形容詞+名詞」の形の代わりに名詞を省略して形容詞を名詞の形にできる、という事を書きました。
その場合の注意点は2点だけです
- 大文字で書き始める
- 形容詞の格変化をする (その時の冠詞と格に気をつけて!)
(形容詞の名詞化の例文の追加はこちら↓です)
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